北海道の北東に位置する知床半島。2005年7月にユネスコ自然遺産に登録されました。海と森が隣接している特異な環境が特徴的です。平地が少なく、半島の中心には硫黄山や羅臼岳を有する知床連山が並んでいます。また、知床五湖や羅臼湖等の湖沼から沁み出した水は急な流れのまま、海へと直接流れて行きます。その独特な環境から、森と海が一体となった生態系が育む希少種が多く生息しているのです。知床半島は、絶滅危惧種に指定されている動物に出逢う事ができるのも特徴の一つです。鳥類であれば、オオワシやオジロワシが冬になると流氷と共にやってきます。世界最大級のフクロウであるシマフクロウや希少なケイマフリも生息しています。
絶滅危惧種ではありませんが、陸上の哺乳類としては、エゾシカや知床の王者とも呼ばれるエゾヒグマがいます。海洋哺乳類は、ゴマフアザラシ、シャチやイシイルカが知床半島周辺にやってきます。また、夏には約1,000mもの潜水能力があるマッコウクジラも観察することができます。さらに知床半島は、秋になると遡上する鮭をはじめとする豊かな漁場でもあります。海底地形が複雑で、浅い所から深い所まで幅広く様々な魚が生息しているためです。高級食材である昆布は、様々な工程を経て全国へ出荷されています。